水産大手のマルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」の群馬工場(群馬県大泉町)で製造した冷凍食品の一部から殺虫剤として使われる農薬「マラチオン」が検出された問題で、同ホールディングスの久代敏男社長らは31日未明に記者会見し、最高濃度(1万5000ppm)が検出されたコーンクリームコロッケを体重20キロの子供が約8分の1個食べると、吐き気や腹痛などの症状を起こす可能性があると発表した。
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同社は29日にこの問題を公表した際、体重20キロの子供は1度に60個のコロッケを食べなければ毒性は発症しないとしていた。当初用いていた毒性の指標について厚生労働省から30日に指導を受け、別の指標に基づく評価に訂正した。久代社長は会見で「消費者に大きな誤解を与えたことをお詫び申し上げたい」と謝罪した。
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会見に同席した同社の佐藤信行品質保証部長によれば、本来は「食べても健康に大きな影響を及ぼさない限度量(ARfD)」を指標として採用すべきだったが「投与した動物の半数が死亡する量(LD50)」を元に毒性を評価していたという。
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佐藤部長は「(毒性を評価する指標は)食品安全に関わる部署で検討したが、知識がなく勘違いしていた。厚労省や保健所に相談するのも失念していた」と釈明した。
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また、マラチオンが検出されたのは、▽ミックスピザ3枚入り▽チーズがのび~るグラタンコロ!▽チーズがのび~るチキンナゲット▽COOP照り焼きソースの鶏マヨ!▽照り焼きソースの鶏マヨ!▽スーパースイートコーンフライ▽とろーりコーンクリームコロッケ--の7品目で29日の会見時から3品目増えたことも明らかにした。
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これにより、回収対象となる商品は市販と業務用を合わせて計94品目に上り、約640万袋が回収の対象となると訂正した。
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