静岡県警は28日に、県内の大型スーパーなどの担当者を集めて、高齢者の万引き対策を協議する。これは同県内で、10数年前から目立ち始めた高齢者による万引きの増加傾向が最近、一段と高まっているため。
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万引きといえば、かつては少年非行の代名詞だったが、県警のまとめでは07年に少年(14~19歳)と高齢者(65歳以上)の摘発人数が逆転した。12年は高齢者が少年の約1.5倍にまで膨らんだ。
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県警では、高齢者の万引きが増加した背景には、少子高齢化の進行に加え、長引く不況による生活困窮があるという。独居化が進み、「孤独感」が心理的な要因になっているとの指摘もある。
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県警のまとめでは、98年の摘発人数は少年1,232人、高齢者372人だった。その後、両者の差は徐々に小さくなり、07年に高齢者(729人)が少年(657人)を上回った。10年は少年のほうが多かったが、11年に再び逆転した。12年は少年570人に対して、高齢者は843人を数えた。
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化粧品や衣類、書籍など嗜好(しこう)品を狙う傾向が強い少年に比べ、高齢者は食料品に手を出すのが特徴だという。12年は食料品を盗んだケースが75.5%を占めた。
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曜日別では平日の火~木曜の発生が目立つという。時間帯は午前9時~正午に集中している。これに対し、少年の犯行は学校帰りなどに当たる午後3~9時が中心となっているという。
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こうした実態を受けて県警は28日に県内の大型スーパーなどの担当者を集めて万引き対策を協議することになった。県警生活安全企画課の担当者は「万引き対策を警察と県、店舗が連携した総合的な取り組みにしたい」としている。
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