経営の立て直しを急ぐ大手電機メーカーの「シャープ」は、主力事業で競合してきた韓国の「サムスン電子」と資本提携し、100億円規模の出資を受けることを6日、正式に決めることにしていることが5日わかった。シャープは、液晶パネルやテレビなど主力事業の不振から経営が悪化し昨年3月、台湾の「ホンハイ精密工業」から約660億円の出資を受けることで、いったん合意した。しかし、出資の条件などで折り合えないまま、交渉はこう着状態が続いている。
|
こうした状況のなかで、関係者によると、シャープは新たに韓国の「サムスン電子」と資本提携することになり、6日に取締役会を開いて正式に決めることにしている。
|
サムスンの出資は100億円規模で、出資比率は約3%となる見通し。また、シャープは液晶パネルをサムスンに長期的に供給する業務提携も行う方向で協議を進めている。
|
提携によってシャープは、財務基盤を改善するとともに液晶パネル工場の稼働率を上げることを目指し、サムスンは液晶パネルの安定した調達ルートを確保するのが狙いとみられる。
|
一方、シャープは5日、ホンハイに対してサムスンと資本提携の交渉を進めていることを伝えた。シャープは、ホンハイの出方を待ったうえで、約1年にわたる出資受け入れの交渉を続けるのかどうかなど対応を決める方針。
|
シャープは、これまでに複数の海外メーカーとの間で出資の受け入れや提携の交渉を進めてきたが、主力事業で競合してきた最大のライバルと新たに提携することで、経営の立て直しを目指すことになった。
|