都と神奈川県の両公安委員会は5日、都県境で事件が発生した場合に共同して初動捜査ができるように定めた「警視庁及び神奈川県警の広域初動捜査等に関する協定」の一部改正を行った。9年ぶりの改正で、これまで一部区域に限られていた「特定区域」を都県境全域に拡大し、初動捜査の際に編成される広域捜査隊に編成される所属の範囲を広げた。同協定は、92年に都県境で起きた殺人事件がきっかけで94年12月に締結された。 |
92年の事件は7月8日に発生した。指名手配中の男(当時23歳)が神奈川県大和市のホテルで職務質問を受けた際に神奈川県警の警察官2人に発砲し、警察官1人が間もなく死亡した。男は近くの公園で遊んでいた幼児(同3歳)を人質にとり、町田市方面にトラックで逃走した。約2時間後、男は横浜市緑区で主婦(同32歳)に発砲し、幼児を置き去りにして徒歩で逃げた。男は9日早朝、町田市の民家に夫婦を人質に立てこもり、同日午後、同県警が殺人と殺人未遂容疑で男を現行犯逮捕した。 |
協定から9年が経過し、犯罪が広域化、スピード化したことから今回の改正に踏み切った。 |