昨年1年間に全国の警察が犯人の似顔絵を作って捜査した事件は8,977件で、このうち似顔絵がきっかけとなって摘発につながったのは515件(前年比78件増)にのぼったことが4日、警察庁のまとめで分かった。 |
警察庁は(1)紙と筆記用具があればどんな場所でも短時間に作成できる、(2)誇張して描けるため人相や着衣の特徴がつかみやすいと似顔絵捜査の利点を分析している。広島県警や警視庁、大阪府警など14都道府県警で採用している「似顔絵捜査官制度」を他の府県警にも普及させたいとしている。 |
まとめによると、似顔絵が摘発の端緒となった515件の内訳は、殺人7件、強盗86件、女性暴行55件、窃盗112件、詐欺40件など。 |
昨年末時点で、似顔絵を作成する技術者は全国で3,522人(うち女性511人)。99年から1,467人増加し、似顔絵作成事件数は1,773件も増えている。 |
技術者の育成はこれまで各警察本部に任されていたが、警察庁は今年、千葉県警職員を広域技能指導官に指定、全国で技術指導などに当たらせている。今後、似顔絵作成のノウハウの体系化や広域手配への活用、技術の一層の向上などに取り組む方針だ。 |