滋賀県下の大津、草津両市内の病院で4日未明、連続して金庫が荒らされる窃盗事件が発生した。10月以降、滋賀県内の病院を狙った窃盗、強盗事件は5件となり、被害額も1,900万円を超えた。夜間に多額の現金が保管されているにもかかわらず、手薄な警備体制に、滋賀県警は自主防犯の重要性を訴えている。 |
4日は大津市御殿浜の琵琶湖中央病院、草津市野路町の南草津病院の事務室金庫がそれぞれ荒らされ、現金計120万円が盗まれた。 |
10月17日には近江八幡市と五個荘町の病院で侵入盗、11月5日には大津市の病院でも緊縛強盗が発生している。いずれも深夜から未明にかけ、窓ガラスを割るなどして事務所に侵入し、うち4件はバール様のもので金庫をこじ開けるという荒っぽい手口だった。 |
病院では一晩に200万円集まることも珍しくないという。被害に遭った近江八幡市のヴォーリズ記念病院の事務長は「夜間診療があり、売上金を金融機関に預けるのは難しい。侵入されても金庫は施錠してあり、当直医師など夜間も人がいるので狙われないだろうと油断もあった」と話している。 |
被害にあった全病院が侵入者を感知する機械警備システムを導入しておらず、中には無施錠の玄関から侵入されたケースもあった。 |
滋賀県警は11月中旬、滋賀県医師会と県病院協会に、監視カメラの設置などの自主防犯を呼びかけ、これによってセンサーライトを設置する病院も出てきた。しかし、警備システムは「院内をはいかいする痴ほうの入院患者もおり、誤作動の恐れがある」と設置をためらう声も聞かれている。 |
県警生活安全企画課は「窃盗が強盗に発展する危険性もある。警察への早期通報体制を確立してほしい」としている。 |