警察庁の佐藤英彦長官は1日午後、都内で開かれた全国警察本部長会議で、一般刑法犯の認知件数が10月末時点で前年同期比減少に転じたことから「増加に歯止めをかけたという意味で治安回復元年になし得た」と述べた。一方で侵入盗などの犯罪が増え続けていることを指摘。「来年は治安を回復軌道に乗せるよう警察活動を推進する必要がある」として、強盗・侵入盗の抑止や街頭犯罪の徹底的な取り締まりを指示した。 |
認知件数は、昨年まで7年連続最悪を更新してきたが、今年は10月末時点で前年同期比約3万件減少。逆に摘発件数は約4万件増え検挙率は22%になっている。会議で佐藤長官は、治安対策が国政の最重要課題になっていると指摘。今年の治安状況について、警察が街頭犯罪対策を展開すると同時に、地方自治体が「安全なまちづくり」を推進、住民にも「自分たちの街は自分たちで守る」という機運が高まったと分析した。 |
今後の課題として(1)国際テロの未然防止、(2)「空き交番」の解消などを挙げた。また、警察庁に組織犯罪対策部や外事情報部を新設する組織再編を予定していることを踏まえ、都道府県警察についても組織を改編するべきかどうか実情に応じて検討するよう求めた。 |
警察庁によると、昨年1年間の認知件数は約285万件、摘発件数は約59万件で、検挙率は20.8%。これに対し今年1~10月は認知件数が約231万件、摘発件数は約51万件。検挙率は前年同期比で約2ポイント上昇した。 |