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万引き繰り返す知的障害者に刑を減軽-福岡地裁判決

福岡地裁で7日、スーパーで万引きしたとして常習累犯窃盗罪に問われた福岡県久山町の30代の男性に対する判決があった。男性は知的障害がある盗みを繰り返す「累犯障害者」。吉戒純一裁判官は、「安易に犯行に及んだ背景には障害の影響があった可能性がある」として、同罪の法定刑の下限(懲役3年)から減軽し、懲役2年2月(求刑・懲役3年)を言い渡した。
判決によると、男性は2月に福岡県志免町のスーパーで缶ビール6缶入りパック(販売価格1,548円)を万引きした。02年以降、盗みの罪で計4回有罪判決を受けて服役。昨年6月に仮釈放されていた。知的障害者に交付される療育手帳によると、男性の障害は軽度で、精神年齢は9歳4ヶ月。
事件当時、男性は現金約4,000円を持っていた。公判で「仕事のこととか、いろいろ考えているうちにカバンの中に入れてしまった」と供述。弁護側は責任能力がなかったとして精神鑑定を求めたが、地裁は却下した。
判決で吉戒裁判官は、「善悪の判断能力が著しく減退していたとは言えない」と責任能力を認めつつ、「健常者と同程度とも言えない」と指摘。「取り調べや公判の過程で犯行による被害や影響を理解し、反省している」として情状酌量した。
累犯障害者を巡っては、どのようにして効果的な更生を図り、再犯を防ぐかが課題となっている。裁判では障害者の更生支援に取り組む民間の福祉施設への入所を前提に、刑の執行を猶予する判決も出ているが、今回の男性は前の刑の執行終了から5年以内の再犯で、執行猶予が付かないケースだった。


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