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「東電と国は原発安全神話過信」と指摘-政府事故調最終報告

東電・福島第1原発事故に関する政府の事故調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長)は23日、最終報告書をとりまとめた。報告書では、「東電と国は原発で過酷事故が起きないという安全神話にとらわれた」と指摘している。今月5日に報告書を提出した国会事故調(黒川清委員長)が事故を東電や規制当局、政府による「人災」と断じたのに対し、政府事故調は「複合的要因」が背景にあるとの言及にとどまった。事故調は政府のほか国会、民間、東電と計4つあり、今回の政府事故調の最終報告ですべての報告書が出そろった。
最終報告には、昨年12月の中間報告以降に調査・検証した内容を盛り込んだ。政府事故調は同6月に第1回の委員会を開催。調査期間は1年以上に及び、4つの事故調では最長だったが時間的制約があったとして、原子炉の損傷個所や爆発原因など未解明の部分が残された。
報告書では、津波に襲われた直後に冷却が中断した2、3号機について、第2原発の対応と比較。第2原発では冷却が停止した事態に備えて代替冷却の準備をしていたが、第1原発では代替手段の準備が不十分など「適切さに欠ける」と指摘した。
いわゆる全面撤退問題について「考えていたとは認められない」とし、「なぜ誤解が生じたのか十分に解明するに至らなかった」とあいまいな部分を残した。
官邸による現場や東電本店への過剰介入についても、「弊害が大きい」と述べるにとどまった。国会事故調が放射性物質の拡散予測システム「SPEEDI」の限界を指摘したのに対し、政府事故調は有用性を主張した。
報告書は、(1)被害の防止・軽減策、(2)規制機関の独立性と透明性、(3)事故解明へ継続的な調査の必要性、などを提言して結んだ。
政府の事故調査・検証委員会(政府事故調)は、東電・福島第1原発事故で、政府が設置した第三者機関。昨年6月に第1回委員会を開催した。研究者、法曹関係者、地元代表ら10人で構成されている。「失敗学」の提唱者として知られる東京大学の畑村洋太郎名誉教授が委員長を務めた。調査に法的な強制力はないが、事務局長に検察官を充て、検察庁や警察庁などの出向者を事務局に加え、検察流の捜査手法も生かした調査が行われた。協議は当初、公開される予定だったが「調査が円滑にできなくなる」として非公開になった。


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