長崎県西海市のストーカー殺人事件で被害届を提出しようとした被害女性の父親に対し、千葉県警・習志野署が「1週間待ってほしい」と伝えた2日後、捜査担当の刑事課と生活安全の課員を含む約10人が2泊3日の北海道旅行に出かけていたことが22日わかった。
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今月5日に公表した事件の検証結果に旅行についての言及はなかった。警察庁は、旅行で事件処理が遅れた可能性もあるとして検証の一部をやり直させる方向で検討を始めた。
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捜査関係者によると、同市の山下誠さん(58)は11年12月6日昼、同署にストーカーの被害届について相談。同年10月以降、山下さんから話を聞いていた生活安全課は、傷害事件に当たるため担当の刑事課に案件を引き継いだ。しかし刑事課の捜査員は別事件の対応に忙しいことを理由に1週間待つよう伝えていた。
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署員が北海道函館市などへ親睦旅行に出かけたのは同8日。当直班単位で、刑事課からは鑑識、庶務担当と捜査員の計3人、生活安全課長も参加した。捜査員は山下さんの事件を直接担当していなかったという。いずれも休日を利用。旅行は毎年行われ、日程は数か月前に決まっていた。
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県警の幹部は「当時は重大事件に発展するという切迫感がなく、予定通りに旅行をしていた。旅行をするために捜査を遅らせたわけではないが、直面していた問題を振り返ると不適切だった」としている。
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