静岡県監査委員は5日、県西部の県立高校で生徒による万引きが相次いでいたとして昨年、監査委員が校名公表に踏み切った問題で、監査委員が県立高校93校を対象に09~11年度の3年間について再調査したところ、万引きに関与した生徒が年間10人を超えた高校が12校あったことがわかったと公表した。監査委員はこのうち2校に対し、すでに改善を求める「指示」を出しており、さらに数校について対応を検討しているという。
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この結果について、富永久雄代表監査委員は「全県的に潜在していた万引きの問題が浮かび上がってきた」と話しており、調査結果は再発防止に向けた基本資料にしていく方針だとしている。
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富永代表らによると、監査委員は昨年12月の校名公表後、今年2月までに再調査を行った。12校の中には校名公表された高校も含まれているが、ほかにも2年連続で10人を超えたケースや、年間で20人近い生徒が関与していたケースもあった。盗まれたものは菓子類や日常品などがほとんどだったという。
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県監査委員事務局では、調査結果をデータとしてまとめており、今後、県教委などに提供して対策に役立ててもらうことも考えているという。
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一方、県監査課は同日、昨年11月~今年1月末の定期監査の結果を発表した。この中で、約30人の生徒が万引きに関与していたとして監査委員が県中部の高校に改善を求める「指示」を出していたことが新たに判明したが、今回は校名公表が見送られた。指示は今月2日付。
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非公表の理由について、富永代表は「前回の公表で、学校関係者を挙げての取り組みを強く求めた公表の目的は相当程度達成されている」とのコメントを出した。この高校も、監査委員が行った再調査で判明した12校に含まれているという。
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