和歌山県内でひったくり事件が多発している。今年に入ってから今月18日までの総発生件数は151件で、前年同期と比べて約2割増である。発生地の約7割を和歌山市が占めている。加害者は少年を含む若年層が中心で、被害者の大半は高齢の女性ら弱者となっている。和歌山県警は「被害に遭わないよう自衛策を」と呼びかけている。 |
和歌山県警生活安全企画課によると、総発生件数151件(前年同期120件)のうち、和歌山市は66.9%の101件(同63件)にのぼっている。同市内で発生件数が多い地域は、JR和歌山駅周辺21件、高松・堀止地区12件、松江・西庄・古屋地区、和歌浦地区11件の順である。同市外では、御坊、田辺両市10件、岩出町5件と人口集中地で多発している。 |
発生時間帯では、午後6~7時台が32件で圧倒的に多い。この他では、午前10~11時台22件、午後3~4時台20件。ミニバイクに乗って、追い抜きざまに自転車の前かごからカバンなどをひったくる手口がほとんどである。被害者の大半は50歳代以上の女性で、その場で追いかけてくる可能性が低いことが犯人の狙い目になっているという。 |
平均被害額は約2万3,000円。最高額は、和歌山市で9月1日に47歳の女性が36万7,000円を奪われた。 |
これまでの検挙者は12人(うち少年6人)で、少年以外でも20歳代を中心とした若年層が大半を占めている。検挙件数は21件と低迷しているが、和歌山県警では「携帯電話を入れたカバンをひったくられ、被害通報までに時間がかかっているケースが多い。捕まりにくいことが、少年らの犯行を誘っているのでは」と説明している。自衛策については「自転車の前かごにカバンを入れないこと。入れる時は、ひったくり防止ネットなどをかけるようにしてほしい」としている。 |