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布川事件-再審で無罪、検察主張退ける

茨城県利根町布川で67年、大工の男性(当時62歳)が殺害された布川事件の再審で、無期懲役が確定し仮釈放中の桜井昌司さん(64)と杉山卓男さん(64)に対し、水戸地裁土浦支部(神田大助裁判長)は24日、強盗殺人罪について無罪(求刑・無期懲役)を言い渡した。
2人と事件を直接結びつける物証はなく、捜査段階での「自白」と、近隣住民の「2人を見た」との証言が確定判決の支えだった。いずれも再審開始決定で否定されたが、昨年7月から計6回の再審公判でも(1)「自白」、(2)目撃証言、(3)近くの女性の「別人を見た」との新証言の信用性が主な争点となった。(3)の調書は第2次再審請求で証拠開示され、事件から43年後に初めて女性は法廷に立った。
こうした経緯や、自白場面のみ記録した録音テープの編集痕などから弁護側は、警察・検察が自白を強要し、無罪の証拠を隠して有罪立証したと批判。「追認した裁判所も重大な責任がある」とし、名誉回復に加え冤罪を生んだ原因を判決で明らかにするよう求めた。
一方で検察側は有罪立証を図り、新たな立証として、被害者周辺にあったタオルなどのDNA鑑定を請求したが地裁支部に退けられた。このため自白や目撃証言の信用性を改めて強調するのにとどまった。女性の証言については「変遷が激しい」と否定し、無期懲役を求刑していた。
死刑か無期懲役が戦後確定した事件の再審は昨年3月の「足利事件」以来で7件目。DNA再鑑定で検察側も無罪論告をした足利事件をはじめ、過去6件はいずれも無罪が確定している。


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