東電・福島第1原発の事故を受け、福島県内に住む保護者ら約70人が俳優の山本太郎氏とともに23日、東京・霞が関の文部科学省前で、子供の屋外活動を制限する基準値(毎時3.8マイクロ・シーベルト)について「高すぎる」として、撤回を求める抗議活動を行った。
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保護者らは市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」のメンバー。同団体は「基準値は行政の都合により決定された」などと訴え、基準値の見直しのほか、校庭の除染作業の強化や、自主避難に関する国の経済的支援などを要請した。
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文部科学省は先月中旬、1時間当たりの放射線量が3.8マイクロ・シーベルト以上あった場合、校庭の利用を制限するという基準を公表した。子供の年間の被曝限度を20ミリ・シーベルトと設定し、逆算したもの。「年間20ミリ・シーベルト」は、国際放射線防護委員会が示した原発事故収束時の一般人の被曝限度(年間1ミリ・シーベルト~20ミリ・シーベルト)を参考にしている。通常時の原発作業員の年間被曝量の目安でもある。
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しかし、子供は放射線への感受性が大人よりも高いとして、国の基準に不安を抱く学校関係者や保護者たちも少なくない。放射線の専門家である小佐古内閣官房参与が、「年間20ミリ・シーベルト」の子供への適用は許し難いとして抗議の辞任をしたことも、不安を拭えぬ一因となっている。
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