京都府向日市教育委員会は、市内6小学校の全児童(約2,860人)に防犯用の「緊急笛」を配布する。全国的に多発する児童を巻き込んだ犯罪を防止するのが目的。児童が笛を携帯し身の危険を周囲の民家などに知らせることで、犯罪の抑止力につながればと期待している。こうした取り組みは「府内でも珍しいケース」(府教委健康教育課)という。 |
乙訓2市1町では、長岡京市で今年7月15日から、市教委をはじめ市内の4小学校で「子どもを駆除する」などといった脅迫電話がかかったり、児童の首を絞める事件が発生した。向日市でも同7月17日に第2向陽小へ脅迫電話があり、児童を標的にした不審な出来事が起こっていた。 |
向日市教委では同校の事態を受け、夏休み期間中は市内の小学校区単位で学校、保護者、地域が連携してパトロールなどを実施し警戒を強めていた。一方で、児童たちが外で遊べない状態が続いていることから、児童自身が身の安全を守る具体的な方法がないかを協議した結果、防犯用の緊急笛の配布を決めた。 |
緊急笛は黄色やオレンジの蛍光色で縦5センチ、横3.5センチ、幅1センチと薄くて手のひらに入るサイズ。ポケットや通学かばんに収納しやすく、首からも下げられる。緊急時に備えて子どもの名前や連絡先、血液型を記入できるが特殊なテープで外から見えなくすることもできる。 |
11月中に市内6小学校に配布。緊急時の使用に限るなど使用方法を教師が指導し、12月上旬から児童に常時携帯してもらうという。学校教育課では「緊急笛は身を守るための道具。日常的に吹くと効果が薄れるので利用法を理解して使用してほしい」としている。 |