チリ北部コピアポ近郊のサンホセ鉱山で今年8月に起きた落盤事故により閉じ込められた33人の救出活動が始まり、まず1人が13日午前0時10分(日本時間同日午後0時10分)、特殊カプセルで地上に引き上げられた。その時、奇跡のサイレンが鳴り響いた。最初に生還したのはフロレンシオ・アバロスさん(31)。
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生存が絶望視された事故で生き延び、高温多湿、暗く息苦しい極限の状況で耐え忍んできたが、ようやく念願の帰還を果たした。前例のない救出作戦では、深さ622メートルの坑道まで通じた直径70センチの縦穴に長さ約4メートル、重さ約450キロの特殊カプセル「フェニックス(不死鳥)」を挿入し、約15分かけて1人ずつ運び出す作業が続いている。
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アバロスさんは救出された直後、家族と念願の再会を果たし、子供と抱き合って喜んだ。ピニェラ大統領も出迎えた。鉱山の仮設診療所で医師から簡単な診察を受け、その後、ヘリコプターで約50キロ離れたコピアポの病院に搬送されて、最低2日間は入院する見込みである。
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チリ政府は、33人全員の救出が完了するまで、長くても48時間程度としている。順調に進めば、最後の作業員は14日深夜(同15日午前)にも地表に姿を現す見通しである。
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落盤事故は8月5日、地下400メートルで発生した。生存者捜索のためドリルで穴を掘削し、同22日に地下の避難所近くまで到達。「33人は避難して無事」と赤ペンで書かれたメモがドリルに付いて来たため、17日ぶりに生存が確認された。当初、救出は4ヶ月後のクリスマス頃と予想されたが、救助当局は計3本の縦穴の掘削を同時並行で進め、大幅な期間短縮に成功した。
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