埼玉県内では今年度すでに、不審者による連れ去りや通り魔など児童・生徒が被害者となる事件が42件起きていることが17日、埼玉県教委のまとめでわかった。昨年度1年間の10件から激増し、「想定できない異常な発生状況」(稲葉喜徳県教育長)として、県教委は18日、教育局内に対策連絡会議を設置、教職員への防犯研修や地域への協力依頼などで、学校の外での児童・生徒の安全確保に乗り出すことを決めた。 |
埼玉県内では、庄和町で女子中高生を狙った連続通り魔事件が6月から発生、さいたま、川口、上尾市などでは、小学女児が連れ去られそうになる略取未遂事件が相次ぐなど、未成年者が襲われる事件が多発している。 |
各公立学校からの4日までの報告によると、昨年度2件だった通り魔事件は、今年度は26件発生し、うち15件は凶器を所持した不審者によるものだった。電話やインターネットの掲示板での校舎の爆破予告や児童殺害予告も6件に及んでいる。 |
埼玉県教委は通り魔と連れ去り事件について、(1)同じ地域で多発する、(2)被害者はほとんどが女子、(3)登下校時の被害が多い、(4)容疑者は車や自転車を利用しているなどの傾向を指摘している。 |
さいたま市で警察と住民が合同で防犯パトロールを行っていることや、上尾市が小中学生全員に防犯ブザーの配布を決めたことなど各市町村の取り組みを参考に、不審者対応マニュアルを作成し教職員に配るほか、警察官を講師にした教職員向けの防犯研修会なども実施する。稲葉教育長は「このままのペースで推移すればいつ甚大な被害があるかわからない。憂慮すべき事態だ」と話している。 |