警察庁は2日、万引き被害の届け出にかかる時間を短縮するため、簡素化した専用の捜査書類を導入することを決めた。空欄に必要事項を書き込む「穴埋め型」の様式にして書類作成が簡単になるようにする。届け出に伴う店舗側の負担を軽減するのが狙いで、10月1日から全国で導入する。
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新たに導入する万引き専用の捜査書類は、被害届や目撃者の供述調書など。被害状況や犯人の特徴を書き込む欄に「盗まれました」「犯人を捕まえました」などと定型文を印刷。空欄に氏名や場所、日時などを記入し、チェック項目に印をつければ書類が仕上がる様式となる。
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万引き被害の届け出を巡っては、警察の書類作成で店員が長時間業務から離れなければならないことが店側の負担となり、届け出をためらうケースも少なくないのが現状。万引きを重要犯罪への「入り口」と位置づけて抑止を目指している警察庁は、店側が届け出しやすくなる方策を検討していた。
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警視庁は昨年11月に万引きの被害届について先行して簡素化に踏み切ったが、その後の半年間で同庁が把握した月平均の万引き件数は、簡素化前より約19%増加した。書類作成に要する時間は従来の3~4時間から平均1時間39分に短縮された。昨年の万引きの認知件数は全国で14万9,892件で前年より3.1%増えている。
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