警視庁捜査2課と千住署は27日、東京都足立区の民家で7月、生存していれば111歳とされた加藤宗現さんの白骨遺体が見つかった事件で加藤さんの死亡を認識しながら遺族共済年金約900万円を受給したとして詐欺容疑で長女(81)を逮捕した。孫の女性(53)も自宅から任意同行しており逮捕する。一連の高齢者の所在不明問題に絡んだ逮捕は全国初。同課は長期にわたって遺体を放置した上での不正受給という特異な事件の全容を解明する。
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長女ら2人は加藤さんが死亡して受給資格がないと知りながら04年10月から今年6月の間、加藤さんが受取人になっている妻の遺族年金計約915万円を詐取した疑いが持たれている。
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公立学校教諭だった妻は04年8月に死亡。加藤さんは1978年11月頃、自宅1階の和室に閉じこもり死亡したとみられる。娘婿(83)は警視庁の事情聴取に80年頃に白骨化した加藤さんを確認したと認めたが長女らは遺体をそのまま放置し、加藤さんの老齢福祉年金を受領。妻が死亡後、より受給額の高い遺族年金に切り替えたとみられる。孫は「年金の一部は貸金庫に移した」と話しており、加藤さん名義の口座からは計約600万円が引き出された。このうち約250万円は7月初め以降に出金されたという。
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