警察庁は21日、ひったくりや振り込め詐欺など女性や高齢者を狙った犯罪が相次いでいることを受け、自治体や公共交通機関、民間企業が幅広く連携して防犯情報を提供するネットワークを整備するよう全国の警察本部に通達した。
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犯罪抑止に重要な役割を果たす地域社会のつながりが弱体化しているとして、大学生や30~40代の社会人を中心に参加を促し、地域パトロールや高齢者宅訪問をする防犯ボランティアの活性化も求めた。
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万引きや自転車盗、落書き、歩行者の信号無視など「軽微」とみられがちな犯罪・違反について、見逃がせば、やがて重大犯罪へとつながる「ゲートウェー(入り口)」と位置づけ、「看過しない」姿勢を明示した。
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万引きでは、被害に遭った店舗側が捜査協力のために割かれる時間的なロスを嫌って届け出をためらう現状があり、警察官が出向いて調書を作成するなど時間短縮で届け出率向上を目指すよう言及した。
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同庁の安藤隆春長官は同日開かれた全国警察本部の生活安全課長会議で、「既存の取り組みに対する検証、見直しを行い、『犯罪が起きにくい社会づくり』を推進してほしい」と述べた。
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同庁はネットワーク整備について、不動産業者が入居希望者に防犯情報を提供したり、保険外交員が高齢者に声掛けしたりしている各地の取り組みを例示。役所や交通機関などに加え、飲食店やスーパー、ガソリンスタンドなどを幅広く活用して、高齢者や女性、子供に警察の防犯情報を提供する枠組みをつくる必要があるとしている。
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