警察庁は23日、多国籍化した犯罪集団が世界規模で暗躍する「犯罪のグローバル化」に対応するため、同庁と全国の警察本部に「グローバル化対策室」を設置することなどを柱とする戦略プランを各警察本部の担当者らを集めた会議で説明した。安藤隆春長官が「国際犯罪組織は治安への重大な脅威。日本警察が一丸となり、新しい戦い方を構築してほしい」と呼びかけた。
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戦略プランでは、マネーロンダリング(資金洗浄)を監視する各国の金融情報機関と連携し犯罪収益の追跡を強化するほか、捜査をスムーズに進めるため犯罪人引き渡し条約などの整備にも力を入れる。
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同庁によると、外国人犯罪はここ数年、プロ化が進み、世界各地に拠点を持つグループが増加している。日本では07年、東京・銀座で国際的な強盗集団「ピンクパンサー」による宝飾品強奪事件があったほか、愛知県などでは06年以降、偽造クレジットカードを使ったナイジェリア人グループによる家電詐欺事件なども起きている。
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プランではこのほか、少数言語による取り調べにもスムーズに対応できるよう各地の管区警察局に通訳を登録し、広域で運用する。中国人や韓国人による振り込め詐欺事件や薬物事件なども多いことから、東アジア各国の警察当局との情報交換なども強化する。また、外国人犯罪を暴力団などが支援しているケースも目立つことから、同庁は日本人支援グループの摘発を通じ国際犯罪組織の実態解明も進める。
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