JR東日本は12日までに、痴漢対策として東京都と埼玉県を結ぶ埼京線車内に監視カメラを導入する方針を決めた。最も被害の多い1号車に1編成だけ試験的に設置するもので、早ければ年内にも天井や網棚など数ヶ所に高画質のカメラを設置する。
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警視庁などからの要請を受けた措置で、警察やJRは「痴漢の有力な証拠となり、抑止効果となる」としているが、犯人の手元が写らない可能性が高く、効果を疑問視する声がある。プライバシーの侵害やほかの犯罪捜査に利用される懸念などもあり、議論を呼びそうである。
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JR各社や日本民営鉄道協会によると、鉄道車両内の監視カメラは東海道・山陽新幹線のN700系や一部特急列車のデッキ、荷物置き場に取り付けられているが、通勤列車では全国で初めて。
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JR東は、痴漢被害が多い埼京線で一定期間効果を確かめ、設置車両の拡大や、ほかの路線への設置を検討する方針である。今後、都市部の大手私鉄やほかのJRにも導入の動きが広がる可能性がある。JR東幹部は「プライバシーなど法的な問題も見極めるとともに、さまざまな意見を求めたい」としている。
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