|
|
沖縄返還に伴う財政負担について日米両政府高官が密約を結んだとされる文書をめぐって作家らが国に開示を求めた訴訟の口頭弁論が1日、東京地裁(杉原則彦裁判長)であり、当時米国との交渉に当たった吉野文六・元外務省アメリカ局長(91)の証人尋問が行われた。吉野氏は「秘密文書にイニシャルでサインした」と述べ、改めて密約の存在を証言した。
|
吉野氏はこれまでも報道機関に密約を認めていたが、法廷で存在を明らかにしたのは初めて。吉野氏は、密約を承諾した愛知揆一外相(当時)に代わって秘密文書に署名したと証言。局長室で署名した後、米国側が原本を持ち帰り、日本側は複写した文書について「少なくとも5年間は保管していたと思う」と述べた。
|
密約の動機を「沖縄返還協定を有利な内容にして、国会を通すためだった」と説明した。法廷で証言することを決めた理由は、「いつまでも秘匿したりすることはできないという心境になった」と話した。
|
|