指紋認証システムの日本セキュアジェネレーション(秋葉茂隆社長)が、“築地を指紋認証ビジネス発祥の地”にしようと、新製品を続々と市場に送り出している。例えば、今月9日にはWebを活用した指紋認証タイムレコーダ「SecuTIME Keeper」を販売開始し、同じく1日には大規模システム向け指紋照合エンジン"SecuMatching Engine"を販売開始し、6月24日には指紋認証モジュールの新機種「FDA02」を販売開始している(本サイトの新製品コーナーを参照)。 |
同社が、“築地を指紋認証ビジネス発祥の地”にしようとしているのは、現本社のある築地に「指紋研究発祥の碑」(中央区明石町8番地)があることによる。同社は、港区虎ノ門で創業したが、その後現在地(東京都中央区築地2-12-10 築地MFビル26号館)に移転し、これをきっかけに“築地を指紋認証ビジネス発祥の地”にしようと張り切っているわけ。 |
「指紋研究発祥の碑」が建立されたのは、わが国の警察が指紋法を採用して半世紀たった1961年(昭和36年)のこと。なぜ、築地かというと、英国人で宣教師であり医師でもあったヘンリー・フォールズが1874年に現在の聖路加病院(旧築地病院)に勤務するために来日、当時大森貝塚(大田区)から発見された縄文土器に古代人の指紋が残されて話題になっていた。日本人の文書や証文への指紋(血判)や掌紋を押印する習慣に関心を持っていた同氏は、このことに大変な関心を持ち、次第に指紋研究にのめりこんでいって、わが国だけでなく世界的にも指紋研究をリードしたことによる。 |
指紋による個人識別は次第に確立され、警視庁が指紋制度を導入したのが1911年、それ以来、指紋は警察の犯罪捜査で使用されてきた。このことがあって、指紋認証システムは一部の人に嫌悪感を持たれている。しかし、指紋認証システムが精度的には信頼度が高く、コスト的には他の顔や虹彩など他のバイオメトリクス個人識別システムと比べて割安なのは万人が認めるところ。 |
同社の秋葉社長は10日、「警察が先ずこの方式を採用したことが現在普及の妨げになっている面もあります。早く拇印のように何の抵抗も無く指紋が使われる社会になって欲しいと心から願いながら指紋ビジネスに専念しています。築地を指紋認証ビジネスの発祥の地にしようと全社員一丸となって頑張っているところです」と抱負を語った。 |
なお、「指紋研究発祥の碑」の情報は:http://www.chuo-kanko.or.jp/miru/index.htmlで、左のインデックスの「さ行」に「指紋」があります。 |