愛知県は今年上半期(1~6月)の窃盗や強盗といった刑法犯の増加数が全国最悪となったが、これに危機感を募らせた愛知県警は7日から約3ヶ月間、県警本部の若手警察官ら延べ約1,500人を県内各署に緊急派遣する。普段は会計や人事などのデスクワークを担当している人材まで駆り出して現場で張り込みにあたらせるなど総力戦で犯罪摘発を目指す。
|
同県内の上半期の刑法犯は約7万4,000件。前年同期に比べ約4,100件増え、増加数としては全国最悪だった。検挙率は26.4%と1.5ポイント上昇したが、その後も治安悪化に歯止めがかかっていない。8月末現在でも、前年同期 比で自動車盗が36%増、事務所荒らしが42%増、強盗は54%増となっている。
|
そこで本部で勤務する警察官を犯罪が多発して対応に追われている名古屋市内の6署や、豊橋署など計16署に派遣する。現地の署員と協力し、不審者の職務質問や、犯罪者を現行犯逮捕するため徹夜の張り込みなどを担う。
|
派遣するのは、1日最大で約50人。日常的に捜査に従事している刑事部などだけでは足りず、住民サービス課もある警務部や、総務部からも人材を集める。県警地域安全対策課は、「窃盗団などプロの犯罪グループが、県内で暗躍しているのが犯罪増加の一因。県警の組織を挙げて取り組む」としている。
|