全国の警察が今年上半期(1~6月)に認知した刑法犯のうち、強盗やひったくりなど金銭目当ての犯罪が昨年同期より大幅に増えたことが16日、警察庁のまとめで分かった。刑法犯全体が4.6%減の83万8,355件と7年連続で減った中で目立っており、同庁は「景気悪化が要因の1つと考えられる」としている。
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認知件数はほとんどの罪種で昨年同期より減少したが、強盗は17.5%増の2,399件。このうち、コンビニ強盗は487件で65.66%増え、路上強盗も12.1%増の752件だった。
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都道府県別の強盗認知件数は東京が331件(7.8%増)大阪330件(26.4%増)、愛知282件(70.9%増)、千葉171件(43.7%増)の順で、都市部での増加が顕著だった。
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窃盗は全体が3.4%減の63万4,669件で、上半期の統計が残る1989年以降で最少となった。空き巣や車上狙いなどが大幅に減る一方、ひったくり(14.8%増の1万189件)、万引き(6.4%増の7万6,076件)、オートバイ盗(11.6%増の4万230件)、自転車盗(4.2%増の17万6,694件)など「比較的手がけやすい犯罪」(同庁)が大幅に増えた。
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都道府県別のひったくりの認知件数は東京が54%増の1,289件、神奈川が78.8%増の1,373件など都市部を中心に増加し、最も多い大阪は2.3%増の1,767件だった。
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詐欺は31.0%減の2万3,660件で、減少分の7、8割は振り込め詐欺だった。殺人は561件で13.3%減った。
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全刑法犯の検挙率は0.2ポイント低下し、31.4%だった。
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