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~マンボーが第4回万引き被害実態調査~
「増えた」「やや増えた」が大幅に増え、原因は長引く不況


NPO法人・全国万引犯罪防止機構(通称・マンボー)は17日、第4回目となる「第4回全国万引き被害実態調査」の結果報告を行った。行ったのは筆頭理事で調査研究委員会の加藤和裕委員長(㈱三洋堂書店社長)。

今回の調査は、09年3月に行った。調査対象はセルフ販売小売企業924社(前年度は850社)で、倒産・合併・不明・辞退・受取拒否などが63社あった。回収できたのは324票で、回収率は37.6%。

報告によると、▽確保した万引き犯の人数:42,696人▽万引き被害件数:54,233件▽売上高25兆3,025億円に対する不明ロス率:0.52%▽推定ロス高:1,325億円だった。▽万引き犯を確保した人:60,462人。内訳=従業員:3,999人(6.6%)、保安警備員:56,139人(92.9%)、お客:136人(0.2%)、その他:148人(0.2%)、不明:40人(0.1%)だった。小売店頭での万引き犯は、その9割以上が保安警備員によって確保されている。

「万引き被害の傾向」として「やや増えた」が30.2%(前回は23.2%、以降同じ)、「大変増えた」が8.3%(3.8%)で、「変わらない」23.5%(30.2%)、「やや減った」13.9%21.0%)で、増えたとするのが多かった。

「最近の万引きの原因と考えられるもの」としては、「万引きに対する犯罪意識の欠落」74.7%(78.7%)、「失業者の増加など長引く経済不安」53.1%(31.6%)、「従業員の防犯意識の低下」29.0%(27.8%)で、長引く経済不安を原因とするものが非常に増えた。

「万引きを発見した後の基本的な処理方針」としては、「全件警察通報、家族・学校はケースバイケース」39.5%(33.2%)、「一部警察に通報する」31.2%(27.5%)、「全件警察通報、家族・学校にも通報」18.5%(26.7%)だった。

「青少年の万引き防止はどこが主体で行うべきか」では、「家庭」83.3%(87.7%)、「学校」69.1%(71.1%)、「小売事業者」44.8%(57.2%)、「警察」48.5%(49.0%)、「地域社会」39.2%(43.1%)、「社会全体」41.4%(34.6%)などだった。

「万引きを警察に通報した後に書類作成などで警察に居た平均時間は、「30分以下」10.1%、「1時間以内」37.6%、「2時間以内」30.2%、「3時間以内」15.1%、「3時間以上」6.6%、「2日間以上出頭」0.4%だった。「警察に居た時間で負担と感じる時間」は、「30分以下」10.0%、「1時間以内」33.6%、「2時間以内」31.8%、「3時間以内」10.7%、「3時間以上」2.1%だった。

「警察に居た時間の中で手間と感じた手続き」は、「参考人調書」126票、「被害届」114票、「警察に行くこと」105票、「証拠関係」49票だった。

過去の特筆するような万引きについて聞いたところ次のようなことがあった。▽犯人が暴れて警備員が怪我をした。▽私服保安員が深追いして連れ去られた。▽捕捉した万引き犯の所持していたバッグの中から包丁やナイフが出てきた。▽ポケットに包丁をしのばせ万引きしていた。▽万引き後、店内でナイフを振り回して威嚇する少年。▽以前、捕捉して逮捕、拘留されていた人が店舗に来て、保安員の名前を言って威嚇。▽ここ数年来、米や缶ビール(箱売り)の窃盗犯が増え、数人で役割分担を決め犯行に及んでいる。▽商品がなくなっていることに後から気付き、カメラに写っているケースが多発している。▽古物店の店長が「同じ商品があったとしても犯人が持ち込んだ本自体はほとんど直ぐに売れて、今はないですよ」といった。▽本社の店舗統括担当者は「日数が経過すれば、どれが盗品か判らなくなります。警察の方にも 申し上げたことがありますが、「仕方ないですね」と諦めていかれます。▽最近、万引き犯のうち、「心療内科通院中」を申し立てる人が目立ってきています。このような者を警察に引き渡した場合、病人だからを理由に事件化されることなく処理されるようです。 (以下略)

万引きを減らすにはどのようなことが有効だと聞いたところ次のような意見があった。▽万引きは金額の多少にかかわらず全件送致が望ましい。▽制服着用警官による店内巡回。▽中古品買取業者に対する規制強化。▽買取の際の身分確認の厳正化など。▽万引き犯、または保護者に万引き犯を捕捉するのに掛かった費用を全て請求している。 (以下略)

万引き被害を減らすために警察・行政・学校・家族などに要望したいことを聞いたところ次のような意見があった。▽幼稚園、小学校、中学校、高校と全ての過程で万引きは犯罪であることを教育する。▽警察には、万引き犯捕捉後の処理について報告をいただきたい。▽警察は面倒くさがらず積極的に対応して欲しい。▽警察署へ捕捉して連絡すると、「捕まえるより防犯に力を入れよ」といつも叱られ、万引き犯人の検挙を喜ばない風潮があり困っています。▽小売業全体で万引き実態を共有するシステム作り。近隣店舗の情報が得られれば、対策に結びつくと思われる。▽御機構もアンケート調査だけに終らず、具体的な取り組みを御願いします。警察では万引き発 生が検挙率の足を引っ張っているので、届出して欲しくないと言っています。警察庁に働きかけて改善いただきたい。 (以下略)





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