凸版印刷(東京都千代田区)と紀伊國屋書店(東京都新宿区)は1日、「大学向けソリューションプログラム」の開発と提供について業務提携することで合意したと発表した。これにより両社は大学向けソリューションプログラムの本格的な全国展開を今月から開始する。
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「大学向けソリューションプログラム」は、凸版印刷が持つIT技術や、ICカード、デジタルサイネージなどの先端技術を開発したソリューションと、紀伊國屋書店が持つ学術コンテンツの流通・利用のノウハウと大学市場での営業力を組み合わせたサービスで、パンフレット制作や雑誌広告、書店店頭を絡めた広告展開による大学の広報・ブランディング支援から、e-ラーニングシステム、デジタル出版などの学修支援、ICカード学生証や電子掲示板を使った学内情報配信サービスなどの教務支援まで、幅広く大学が抱える課題の解決をサポートする。
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両社の業務提携の背景には、少子化の進行や社会的ニーズの高まりにより、大学を取り巻く環境が厳しさを増すなかで、より効率的な組織運営や修学内容の向上が求められていることにある。また、入学生の確保のためにも、各大学の魅力や果たしている役割を戦略的に広報展開することが重要になってきていることもある。
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凸版印刷と紀伊國屋書店は、大学が持つこれらの課題に対して今まで培ったノウハウと先端技術力を活かしたソリューションを共同で開発してきており、これまでも広島県の新設大学にICカード学生証や学校案内制作ソリューションを共同で提供、仙台市地下鉄ホームに設置したデジタルサイネージ「まちコミ」での広報活動を共同でテスト実施するなど、協業の枠組みを強化してきた。
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こういったことから今回、「大学向けソリューションプログラム」として、より多くの大学に活用してもらうべく、全国規模での販促活動を本格的に開始することにしたもの。売上目標として、初年度(2010年度)で20大学/教育機関で採用を目指し、10億円の売上を見込んで いる。
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印刷業界最大手の凸版印刷と書店最大手の紀伊国屋が、大学向けサービスの開発・提供で業務提携したことは、印刷・書店業界で大日本印刷が丸善、ジュンク堂、図書館流通センターを子会社化していることに対する新たな対抗軸となると注目されている。
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