裁判員法が今日(21日)施行され、国民が刑事裁判に参加する裁判員制度がスタートする。司法に国民の視点を反映して信頼性を高め、刑事裁判を分かりやすくすることが狙い。この日以降に起訴された事件のうち、もっとも重い刑で死刑や無期懲役が定められている殺人や強盗致死傷などを対象にした1審で、被告が有罪か無罪か、有罪なら刑の重さについて、6人の裁判員が職業裁判官3人とともに審理し、判決を出す。裁判員裁判の第1号は、7月下旬にも開かれる見通しである。
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対象事件が起訴されたあと、裁判官と検察官、弁護人は「公判前整理手続き」を開き、争点を絞るとともに証拠を厳選する。調書など書類を重くみてきたこれまでの「精密司法」から脱却し、法廷でのやり取りを中心とした裁判になる。
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公判前整理手続きでは綿密な審理計画も立てられる。日程が決まれば各地裁は、初公判の6週間前までに裁判員候補者に「呼出状」を送る。呼び出される候補者はひとつの事件について50~100人。この中から裁判官の質問などを経て6人が選任される。
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裁判員裁判は原則として連日開廷され、最高裁は9割の事件が5日以内に終了するとしている。裁判員の役目は判決を宣告したところで終わるが、裁判官とともに議論した「評議」の中身などについては守秘義務が課せられる。
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裁判員法の附則では法施行後3年で施行状況を検討し、必要があれば見直すと規定されている。
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