大阪府警が4月1日、重要犯罪や街頭犯罪の摘発と抑止を総合的に推進する「犯罪対策室」を新設する。従来の街頭犯罪・侵入犯罪対策本部を改めた組織。大阪府や大阪市が数値目標の設定や予算を計上するなど治安向上の機運が高まる中、犯罪対策室は警察・行政・地域による「オール大阪」で進める治安総合対策の“司令塔”としての役割を担うという。
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刑法犯や街頭犯罪の手口で多くの“全国ワースト”を抱える大阪府警だが、昨年はひったくりが前年比で1,000件以上も減少したほか、自動車盗などでワースト1を返上。しかし、数字的には下げ止まり感も否めず、従来の手法からの脱却が急務となっていた。
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さらに、府と大阪市、堺市なども治安向上に重点を置く施策の展開を表明し、新年度予算で監視カメラの拡充を図ったり、モデル地区を設定したり、具体的な防犯対策に乗り出している。
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こうした自治体の盛り上がりに合わせ、大阪府警がオール大阪の中核を担うため犯罪対策室を設置するもの。治安総合対策を指揮する「犯罪対策官」のポスト新設や、行政や地域との連携を図る「府民安全対策課」も設置し、犯罪抑止策だけでなく各部を横断する形で摘発にも積極的に関与していく。
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悪化する一方の経済状況の中、「治安がよくなる要素はまったくない」(大阪府警幹部)が、犯罪対策室の新設は警察庁や他府県警からも注目されており、府警は新たな試みで「安全なまち大阪」の実現を目指す方針。
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