警察庁科学警察研究所と社会技術研究開発センター(東京)は、子供が犯罪に巻き込まれるのを防ごうと「見知らぬ人に追いかけられた」「車に乗せられそうになった」など犯罪統計に反映されない被害の実態調査に乗り出すことになった。昨年の予備調査では7人に1人の子供が被害に遭ったり遭いかけていた。犯罪に至らない「ヒヤリ・ハット」事例を収集し、水面下の犯罪も含め多発する時間帯や場所などを分析。防犯パトロールなどで役立ててもらうというのが狙い。
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犯罪統計は、被害の届け出がなされ、警察が事件として認知したものに限られ、事件にならないが重大な事件に発展する恐れのある「追いかけ」や「いい物をあげるから一緒に行かないか」といった「誘い」は、統計に含まれないため、実態は分かっていない。
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欧米では毎年、大人を対象に数万人規模で被害調査を実施している。科警研などは、こうした取り組みを参考に、小学生対象に「お金を無理に取り上げられた」「体を触られた」「追いかけられた」「車に乗らないかと誘われた」などの項目から、自分の経験を選択する調査票を作成した。
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昨年は、西日本の小学校5校で全児童2,686人とその保護者(有効回答率89%)を対象に予備調査を実施した。これによると、「追いかけられた」(5%)、「物や金を盗まれた」(4%)、「誘われた」(2%)などを15%の子供が経験していた。今年4月以降、茨城県つくば市の小学校などで実施し、最終的に結果をまとめる。
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