九州一の歓楽街・中洲(福岡市博多区中州)大通りの中州警部交番前のビル1階で営業している中州唯一の書店「ブックスやまだ」が今月末で閉店する。かつては未明まで客足が絶えなかったが、出版業界の低迷が続き不況の波にのみ込まれた。同店は午前2時まで営業し、待ち合わせの時間つぶしに立ち寄る人も多い。
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同店は1957年、JR博多駅前の大博通り沿いに開店し、同通りの拡張に伴って67年に中洲に移転した。当時は珍しかった深夜営業が大当たりして、日が変わる頃には仕事帰りのホステスらが客を連れて続々と訪れるようになった。ホステスには女性誌やベストセラーのほか、ビジネス書などもよく売れたという。
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バブル景気にわいた80年代後半は、「客足が途切れず、午前4時頃まで営業が続くこともしばしばだった」という。しかし、景気後退とともに中洲の人出は減り、本離れも重なって売り上げは減少。コンビニエンスストアの登場で主力だった雑誌販売も落ち込み、ピーク時には1日約50万円あった売上げは10万円台まで落ち、昨年来の世界的な不況で閉店を決めたという。書店跡には別の経営者が飲食店を開店するという。
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