政府は22日、犯罪対策閣僚会議を開き今後5年間の治安対策の指針を示した「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」を策定した。刑法犯の認知件数は02年をピークに減少傾向にあるが、振り込め詐欺や食の安全に関する偽装事件などが後を絶たないことから「消費者目線に立った対策の強化」などを打ち出している。
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行動計画は無差別殺傷事件や子どもを狙った犯罪などで国民の「体感治安」が低下しているとの認識を示したうえで、今年4月に発表された自民党の提言を踏襲し、▽犯罪者を生まない社会の構築▽国際化への対応▽テロの脅威への対処など7項目を重点課題とした。
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孤立した若者や社会との関係が希薄な人への社会復帰支援では、自宅を相談員が訪問する英国の若者支援制度「コネクションズ」を参考に、保護司や更生保護ボランティアらを活用し、社会の側から積極的に手を差し伸べる制度の検討を明記。今後、内閣府を中心に「日本版コネクションズ」の詳細を検討する。
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外国人に対しては、不法滞在の摘発を強化する一方、合法的に滞在する外国人には台帳を作成して住民サービスを受けやすくするほか、自治体に総合相談窓口を設置するなど生活を支援する。
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再犯者による犯罪が約6割を占める現状を踏まえた服役後の就労支援などの再犯防止策や、インターネットや携帯電話をめぐる犯罪に対応するため「サイバーパトロール」の強化によるネット上の違法・有害情報の排除などの取り組みを進めることに力点を置いている。
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さらに、振り込め詐欺などの捜査を迅速におこなうため、「通常3ヶ月程度とされる監視カメラや携帯電話の通話記録の保存期間を延長するよう事業者に理解を求める」としている。
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麻生首相は会議で「かつては日本は世界で一番安全な国と言われた。その復活を目指してがんばっていかねばならない」と指示した。
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