来年から裁判員裁判が実施される全国60ヶ所の地裁本庁・支部は15日、政令に基づいて裁判員候補者名簿の作成作業に着手し、裁判員制度が事実上始動する。名簿に記載されるのは全国で30万人の見通しで、作成作業が本格化するのは新しく導入した名簿管理システムが動きだす8月以降で、各裁判所はシステムの最終チェックなどを進めている。
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裁判員法と最高裁規則によると、裁判員制度が実施されるのは都道府県庁所在地と函館、旭川、釧路の地裁本庁50ヶ所と八王子、浜松、堺、小倉など支部10ヶ所。
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各裁判所は15日以降、(1)管内の市区町村選挙管理委員会に対し、6月1日現在の選挙人名簿に登載された有権者数を照会、(2)殺人、強盗致傷など裁判員裁判の対象となる過去の事件数などから必要な候補者数を算定、(3)9月1日までに各選管に選挙人名簿から抽出する候補者数を割り当てる、(4)各選管から10月15日までに候補者の氏名、住所、生年月日の提出を受け、その後統合する、の順で候補者名簿を作成する。
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候補者には11~12月に名簿記載通知と辞退希望などを尋ねる調査票を送付する。問い合わせに対応する電話相談窓口を設ける。
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来年5月21日以降、対象事件が起訴される度に名簿から50~100人をくじで選び、調査票で辞退を認めた人を除いて各裁判所に呼び出す。最初の裁判員裁判は、7月下旬以降になる見込みである。
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各裁判所の名簿管理システムには、名簿記載内容のほか、調査票への回答などを入力し、候補者の呼び出しや裁判員選任に利用する。
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