長野市の繁華街「権堂商店街」では、長野県からの助成金を受けて8月のお盆明けに監視カメラを設置することになった。監視カメラは約500メートルのアーケードに固定式を12台設置する。「プライバシーを侵害しないように」との意見を尊重し、監視モニターは設置しない。24時間録画で、一定期間たつと自動的に削除、上書きしていくシステムを採用している。県警から捜査のために提出を求められた場合、商店街の運用委員会で提供するかどうかを諮る。
|
長野市内の公道に監視カメラが設置されるのは初めて。犯罪を抑止する効果が期待される一方、プライバシー問題を心配する声もある。同商店街の市村信幸理事長は「運用基準を作るなど最大限配慮したい」と慎重な運用を目指すという。
|
同商店街は昨年8月、客引きを取り締まる県条例改正などを目的に、市や防犯協会などと市中心商店街環境健全化協議会を発足させ、監視カメラの設置についても話し合いを重ねてきた。
|
協議会で監視カメラの予算を捻出するのは難しく、このため同商店街は今年1月に県の助成金「08年度地域発元気づくり支援金」に応募し、5月に支援金交付が決まった。総額600万円のうち、400万円が助成され残りを同商店街が負担する。
|
同商店街周辺では、06年に連続放火事件、07年に殺人事件が発生するなど治安が悪化している。市村理事長は「監視カメラで犯罪が抑止され、安心して買い物や飲食ができるようになれば」と話している。
|
長野県内で自治体が監視カメラを設置したケースとしては、JR上田駅周辺で暴走族が問題化した04年に上田市が10台設置。須坂市の長野電鉄駅前に交番がなくなったため99年に周辺に4台設置した。
|