福岡県書店商業組合(山口尚之理事長、360店)は9日、万引きされた本の転売を防ぐため2年前から県内の書店でコミックや新書、文庫、写真集に張っていた販売証明の「まんぼうシール」を10月末で廃止することを決めた。購入品と盗品を識別する販売証明シールは全国初の試みだったが、客の苦情などでシールを張る店舗が激減したのが主な理由。
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シールは、同組合が福岡県や福岡県警の協力を受けて06年7月に導入。客が本を購入する際に書店側で裏表紙などにシールを張り、新古書店にシールのない本が持ち込まれても買い取らないよう要請してきた。
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万引き防止の「先駆的なアイデア」と注目されたが、新品の本にシールを張ることを嫌う客が多いうえ、新古書店や他県との連携も進まず、シールをやめる店舗が続出し実施率は20%を切り、同組合の事業として継続することが困難になった。
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同組合では、「シールが浸透せず残念だが、万引きは書店を取り巻く深刻な問題。11月以降は、販売履歴を管理できるICタグの導入を検討していく」としている。
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