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岩手県立大が「高齢者犯罪の実態」まとめる

岩手県立大学の「いわて地域犯罪防止研究調査会(代表・細江達郎社会福祉学部教授)」はこのほど、岩手県内の高齢者の犯罪実態をまとめた。岩手県警が提供したアンケート結果を活用して分析した。それによると、犯行場所は自宅近くが圧倒的で、大半は盗みなどといった特徴が現れた。一方、過半数が「(生活ぶりは)安定充実している」と答え、グループは「犯罪に至る心理の複雑さが、あらためて浮き彫りになった」と指摘している。
分析のベースとなったアンケートは、昨年6~12月に岩手県内で検挙した65歳以上を対象に、岩手県警が聞き取り形式で実施し、232人から回答を得た。増加する高齢者犯罪の実態を探り、抑止につなげようと同大の「いわて地域犯罪防止研究調査会」が分析に当たったもの。
それによると、犯行場所は「近隣の生活圏」が85%と圧倒的で、「近郊の都市」は7%、「ほとんど知らない場所」は4%にとどまった。また、罪種別では「窃盗」が65.1%を占め、「知能犯(詐欺など)」4.7%、「粗暴犯(暴行、傷害など)」3.4%などと比べて際立って多かった。
研究調査会では、「自宅近くのスーパーや商店で万引きなどをするケースが非常に多い。一方で、高い計画性をうかがわせるケースは少ない」と衝動的な犯行に至る説明できない心理を指摘している。
また、検挙者の主観による生活状況では「安定充実している」が過半数の52%。これに対し、「家族内に不和がある」は10%、「介護・看護しており、疲労している」は4%だった。
今回の結果について研究調査会の細江教授は、「犯罪の様相の複雑さを含め、さらに深く研究する必要がある。高齢者を弱者とだけとらえる見方では限界がある」と強調している。岩手県警安全・安心まちづくり推進室の田村幸義室長は、「調査結果を参考に、高齢者犯罪を防ぐ施策に生かしたい」としている。


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