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本の万引き被害は推定で年間約190億円
~日本出版インフラセンターの調べで分る~

日本出版インフラセンター(東京・新宿区)の調べによると、紀伊国屋書店や三省堂書店、有隣堂など大手書店14社の万引きによる被害額が年間約40億円と試算されることがわかった最近は小学生による犯行や万引きをとがめない親も目立つとされ、万引き被害は書店の経営に打撃を与えている。
同センターは、今年1月から2月にかけて大手書店14社計1,161店舗を対象に調査し、14社643店舗から回答があった。本の販売に伴って発生した店側の損失額は計約55億円で、このうち伝票の打ち間違いなど店側のミスや売れ残った本の処分による損失は約15億円。同センターは損失額の合計からミスなどによる損失を除いた約40億円が万引きによる被害と推計している。この額は年間総売り上げ2,909億円の1.4%にあたる。
また、全国の書店約1万5,000店舗で、同じ割合で万引きがあったと仮定すると、被害額は約190億円にのぼると推計されるとしている。
書店側が取り押さえた万引き犯が盗もうとした本を金額ベース別でみると、コミック本が4割と最も多く、写真集は3割、単行本は1割だった。万引きの理由は、7割以上が「最終的に換金目的」と答えていた。
被害を受けている都内の書店によると、コートの裏側にたくさんのポケットを作ったり、ベビーカーやキャリーケースなどを使ったりして大量に盗もうとするケースが相次いでいるという。2人組の1人が店員に本の注文方法を聞いている間にもう1人が盗む例もあった
万引きの若年化も進んでおり、都心の書店約60店舗と契約している警備会社の調べでは、今年3月の1ヶ月間に取り押さえた60人のうち、小学生が3人含まれ中高生も17人にのぼった。
万引きした子供を引き取りに来た際、子供をかばって、「捕まえられてかわいそう。なんで取りやすい場所に置くんだ」と店側に抗議する親もいたという。また、店側に呼び出された親が「払えばいいんだろう」と開き直ったり、子供に向かって「つかまってアンラッキーだったね」などと慰めたりする光景も見られるという。
同センターの永井祥一・運営委員(講談社)は「万引きが横行して新刊の本が売れなくなると、書店が倒産するだけでなく、作家に印税が入らない。作家の生計が立てられなくなり、著作活動の衰退につながる危険性もある」と指摘している。


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