今年1月に横浜市保土ヶ谷区のホテル「ホテル・ニュー京浜」(客室31)で火災が発生し3人が死傷したが、契約していたセコム(東京都渋谷区)のオンライン火災監視サービスが工事ミスで作動していなかったことが15日わかった。サービス開始から3年半経っていたが、関連機器が正常に作動するかの点検を1度も行っていなかった。セコムが火災を知ったのは、近所の人が110番通報してから約5時間も経った後。事態を重くみたセコムは全国で点検するという。
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セコムが同ホテルとオンライン火災監視サービスの契約を結んだのは04年7月。ホテルの各部屋にあった火災センサーとセコムのコントロールセンターとを回線で結び、24時間体制で異常を見張り、警報があると119番通報や緊急対処員の出動によって被害を未然に防いだり、最小限に食い止めたりすることになっている。料金は防犯システムと合わせて月約4万2,500円だった。
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工事は契約を結んだ7月にセコムの社員が行ったが、火災センサーから受け取った情報をコントロールセンターに送る「火災受信機」内の回線のつなぎ方を間違えていた。セコムの社内マニュアルでは、設置したその場でセンターとつながっているかを確認することになっているが、社員は確認を怠っていた。
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さらに、火災センサーの定期点検は別の会社が行っていたが、セコムは火災受信機からコントロールセンターへの情報発信が正常に行われるかなどの点検を1度もしていなかった。セコムの企業責任が問われそうだ。
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