北海道警生活安全企画課のまとめによると、万引きの検挙件数は02年の4,337件をピークに減少し続け、06年は3,331件だったが、今年は6月以降に月300件を超えるペースで検挙が続き、10月末には前年同期より405件多い3,070件に達した。これにより北海道では今年、万引き検挙件数が5年ぶりに前年を上回る見通しになった。
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この理由としては、小売店側が今まで以上に積極的に通報するようになったことが要因とされ、被害が高額化する歳末商戦の時期を迎え、各小売店は警戒を強めている。
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これまでは店側は、万引きを見つけても警察に通報すれば捜査協力に時間を取られるため通報は敬遠しがちで、「代金を支払わせたり、返品させて見逃していた」ケースが多かった。しかし、被害は一向に減らない事態が続いて いた。
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このため北海道警は、「万引き犯は罪の意識が希薄。店が見逃せば初犯のまま再犯を繰り返す」として小売業者に指導した。これにより北海道内の小売約4,000店が「北海道万引き防止ウイーブネットワーク」を発足させ、6月以降は万引きを発見したら店側が全件届けることを決めた。
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歳末商戦を迎えウイーブネットは4日、加盟店に万引き警戒を呼びかけるポスターを配布した。札幌市中央区の服飾専門店「ラルズプラザ」札幌店では「6万円もするコートを万引きされたこともあり、冬場は被害が高額になる。これまでは月に20件ほど万引きを見つけたが、フロアが大混雑する時期なので、さらに警戒を強めたい」としている。
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