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カメラ映像から異常動作を自動検出、産総研
~監視カメラの自動化に向けて大きく前進~

独立行政法人の産総研(産業技術総合研究所)は16日、大津展之フェロー、情報技術研究部門の坂上勝彦主幹研究員、岩田健司特別研究員、小林匠研究員、佐藤雄隆研究員が産総研独自の画像認識技術を用いてカメラ映像から異常動作をリアルタイムで自動的に検出するソフトを開発したと発表した。
近年、セキュリティへの関心の高まりにより、大量の監視カメラがさまざまな場所に設置されるようになっているが、すべての映像を常に人が監視することはコストの問題で難しく、ただ単に映像を記録しておき、事故や犯罪などが起こった後に事後確認に用いることが多い。大規模な施設であれば多数のカメラ映像を、集中管理により監視員が監視することができるが、人手による限り大量の映像に対し見落としなく常時注意を払うことは困難である。
このようなことから、監視カメラの映像を自動的に識別するシステムが強く望まれていた。識別が自動化されれば、リアルタイムに異常を知ることができるので、従来のような事後確認のための利用だけにとどまらず、より多くの場所でより積極的なセキュリティの確保が可能になる。
自動的に異常動作を検出する能力を持つ監視カメラの開発は困難な課題であるが、監視カメラが急速に普及・増加している昨今において極めて多くのニーズがある。これまでに産総研は、「CHLAC」(立体高次局所自己相関特徴法)という計算方法を考案し、それに基づきカメラ映像中からの人物識別や異常行動の検出などを行うための基本技術を開発し、優れた性能が得られることを確認している。
省スペース・低価格の監視カメラシステムとして実用化するために、コンパクトな処理系においてもリアルタイムで動作させるためにCHLACのさらなる高速化が望まれていた。そこで新たに開発した並列計算アルゴリズムにより約10倍の高速化を達成し、ノートPCレベルの処理系であっても十分にリアルタイムで動作させることを新たに可
能にした。さらに、CHLACなどのカメラ映像の処理システムの構築をサポートするために、アイコンの組み合わせによって平易にシステムを構築することのできるプラットフォームソフト「Lavatube」を同時に開発したもの。
なお、この高速CHLACおよびLavatubeは、北陸技術交流テクノフェア(10月18~19日、福井県産業会館)、産学官技術交流フェア(11月28~30日、東京ビッグサイト)において展示、発表される予定。


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