警視庁の今年上半期(1~6月)の空き巣や事務所荒らしなどの侵入盗の検挙率が111.5%と、初めて100%を超えた。検挙率は、発生が確認された事件のうち、どれだけ解決(検挙)できたかを表す「治安の目安」とされている。111.5%というのは、過去の事件が解決した場合も検挙数に加算されるため起きた現象。未解決の重大事件を多く抱え、検挙率アップに頭を悩ます警視庁にとっては、うれしい統計の“マジック”である。
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警視庁のまとめ(速報値)によると、今年上半期の侵入盗の認知件数は6,409件で、検挙件数は7,146件。そして検挙率は111.5%。これは昨年上半期の77.8%から33.7ポイント上がり、今年上半期では全国平均の52.4%と比べても2倍以上の好成績となっている。
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警視庁が高検挙率の背景に挙げるのは(1)地域の防犯ボランティア活動が浸透して空き巣などがしにくい状況が生まれ認知件数が減少している、(2)余罪50件以上のプロの窃盗犯の逮捕が相次ぎ検挙件数が伸びたことなど。
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認知件数は、02年に約3万5,000件だったが年々減少し、昨年は約1万7,000件と半減し、防犯体制が充実してきていることがうかがえる。また、上半期に検挙した664人のうち50件以上余罪があったのは40人で、少なくとも計3,556件に関与し、1人あたりの余罪は約90件にのぼる。プロの窃盗犯の検挙は、05年が69人、06年は86人と年々増加傾向で、警視庁は「余罪捜査に力点を置いた成果」とみる。
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同庁幹部は「治安が良くなったことを示すことに違いはない。立川署員の事件で失った信頼回復のためにも、未解決の凶悪事件も含め解決に全力を挙げたい」としている。
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