名古屋銀行(名古屋市)が全国の金融機関に先駆けて導入したシステムが「振り込め詐欺」やカード盗難などによる被害を防ぐ成果を挙げている。現金の出し入れをホストコンピューターがリアルタイムで監視する仕組みで、昨年11月の運用開始から約8ヶ月間だけで同行が不正取引の疑いがあるとして凍結した預金口座は約50件にのぼっている。
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このシステムは、名古屋銀がNECと共同で開発した「異常取引・不正口座検知システム」で、数々の不正取引を見抜いてきた。いずれも口座を凍結、警察に通報して現在捜査中のケースもある。
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システムは、あらかじめ限度額に近い現金の引き出しやコンビニのATMによる連続出金など犯罪特有の取引パターンを17項目に分類。行内すべての取引を15分おきに検知し、パターンに該当する「異常」が見つかると、本部や各支店のパソコン画面に表示され、行員が直ちに顧客へ連絡する。疑惑が深まれば、被害の拡大を防ぐために口座を凍結することもある。
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システムを導入する前は膨大な取引データを行員らがチェックしていたために、不正の発見が早くても翌日になっていた。
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名古屋銀の中村昌弘常務はシステムの効果について「怪しい口座には注意を払うという行員たちの意識が高まった。顧客からは感謝の声が寄せられ、CS(顧客満足度)の向上にもつながった」としている。
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