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清水建設が来訪者の動きを察知し案内するシステムを開発
~店舗などの室内防犯監視用にも使用が考えられる~

清水建設は26日、来訪者の動きを自動的に察知して必要な案内サービスを提供する「インテリジェント・ガイドシステム」を開発し、技術研究所内のクリーンルーム実験棟(東京都江東区)に導入したと発表した。本システムは、ITやロボットを融合させた次世代技術といわれる「空間知能化技術」を活用し、同技術の分野では実用レベルの開発に初めて成功したもの。今後当社は、美術館、博物館、ショールームなどの案内スペース向けに本システムを事業者らへ積極的に提案し、建設工事の受注に貢献していく計画である。店舗などの防犯監視用にも使用が考えられる。
空間知能化とは、空間の状態やそこにいる人間の状態をセンシングし、空間全体で高度なサービスを実現しようとする次世代技術。空間側に配置した複数のセンサーやコンピュータなどをネットワーク化し、人の動きを認識して必要なサービスをタイムリーに、安全・確実に提供しようとする試み。この空間知能化については、現在、内外の多数の研究機関や企業で活発に研究が続けられている。
今回開発したインテリジェント・ガイドシステムは、この空間知能化の1テーマとして取り組んだもの。開発コンセプトは、来訪者の動きをシステム側が自動的に分析し理解することによって、来訪者が必要とする施設案内をその都度提供していくというもの。本システムは、これまで同社が開発してきた画像処理技術などを駆使し、「ネットワークカメラ」と「状況認識コンピュータ」、及び移動型の「自在プロジェクション装置」を統合的に運用することで開発に成功した。
◇本システムの案内サービスは次のように進行する。
 室内に配置したネットワークカメラで、来訪者の姿を捕捉。その画像を高速処理して、「歩行」あるいは「滞留」状態として検知する。この検知機能は、「背景差分法」という画像処理手法を使っている。
 来訪者が入場して立ち止まると、本システムは、「滞留」状態と検知し、施設案内や技術説明を開始。この案内・説明は、「自在プロジェクション装置」が担当する。「自在プロジェクション装置」は必要に応じて移動しながら、内蔵したプロジェクターで、壁・床・柱など説明に都合の良い場所をスクリーンに選んで、説明用の画像を映し出すことが可能。画像の中には、来訪者が選択できるメニュー画面があり、このメニュー画面に「タッチ」すると、「自在プロジェクション装置」に内蔵したカメラがその選択を検知して、来訪者の希望に応じた案内や説明を行う。
≪本システムの概要及びメリット等≫
(1)本システムの構成
 今回技術研究所に導入したシステムの構成は、室内設置の「ネットワークカメラ」と「状況認識コンピュータ」、及び移動型の「自在プロジェクション装置」。「自在プロジェクション装置」は、長さ400mm×幅500mm×高さ1100mm、重量80kg。バッテリーを動力源とし、プロジェクター、カメラ、及び投影方向を自由に変える「パン・チルト機構」を内蔵している。
(2)メリット
・人へのやさしさを目指したヒューマンインターフェース
 来訪者が入場すると、カメラが自動的に認識して、サービスを開始。来訪者は、壁などに映し出されたメニュー画面で、選択肢に相当する箇所に触れるだけで、希望する内容の施設案内を受けることができる。来訪者は、キーボードやタッチパネルのような情報端末を扱いなれていなくても、安心して操作することができる。
・演出効果たっぷりの「自在プロジェクション装置」
 「自在プロジェクション装置」は、壁、床及び天井など様々な場所に、説明用画像を映し出すことができる。また音声説明用のスピーカーを内蔵し、首振りなどの簡単なジェスチャーを行うことも可能。来訪者に対する説明には、これらの画像、音声及びジェスチャーを組み合わせることで、様々な演出を行うことができる。
・フレキシブルで実用性の高い案内システム
 タッチパネルなどのディスプレイ装置を使わず、メニュー画面のタッチをプロジェクター側のカメラで認識するため、室内の模様替えや演出内容の変更があっても、フレキシブルにローコストで対応が可能。
同社は、将来的には、本システムをさらにブラッシュアップし、高齢者に優しい案内や非常時の案内誘導など安全・安心への展開を図り、従来にはない機能を持った付加価値の高い空間・インフラの創出に取り組む計画である。
  
  


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