NECは19日、香港入国管理局に出入国審査の際に自動車に乗車したまま顔認証を行い、自動的に登録者本人かどうかを識別する世界初の出入国ゲート管理システムを納入したと発表した。受注総額は約12億円。すでに香港~深セン間の道路8ゲート分で稼働を開始。8月までに全40ゲートに設置し、その後、全乗員の顔を認識できるシステムも導入する。
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本システムは、NECの顔認証製品「NeoFace」や同技術を用いたeパスポートの実績をベースに開発した。今月より開通した香港~深セン間の新道に先ず8ゲート分の稼動を開始、今後順次ゲート数を拡大し8月までに全40ゲートへと導入を進める。認証対象となるのは香港に在住しIDカード(スマートカード)を有するドライバーで、今回のシステムではトラックドライバーを対象にしている。
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香港では、全住民のIDカード化が実現しており個人の識別情報が登録されている。また、車ごとにドライバーが1対1で登録されており、車のナンバーからドライバーが特定できるので、トラックが出入国ゲートに進入時に車のナンバー識別しドライバーを特定することができる。そして、ドライバーが顔認証により本人であると確認されると出入国審査業務が完了しゲートが開かれる。(現在は指紋認証システムが稼動しており、そのシステムと顔認証システムが併用されている)。
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更に次の段階では、5~8人の乗りの乗用車(ワゴン車)の搭乗者全員を認識する顔認証の導入が決定している。このシステムでは、指紋認証システムとの併用ではなく、顔認証だけで出入国審査を行うことを目指しており、現在、開発並びに実験を進めている。
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本システムの導入により出入国審査が厳密化するためセキュリティレベルが向上すること、審査業務自働化を通し審査をスムーズに行うことと人件費削減などの効率化が見込まれている。
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香港では、本年1~3月の経済成長が5.6%を達成し、株式市場の時価総額記録が更新されるなど好調な経済が続いており、これに伴い中国本土との交通量も増加し、出入国管理の迅速化・効率化の必要性が高まっていた。
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