埼玉県警は来年1月、ひったくりや路上強盗などの街頭犯罪が多発する川口市のJR西川口駅周辺に、「スーパー防犯灯」(緊急通報装置付き街頭防犯カメラ)12基を設置することを決めた。川越、さいたま市の住宅街には既に設けられているが、繁華街に設置されるのは初めて。 |
同駅前周辺は県内有数の繁華街で、飲食店や風俗店が約650店が密集し、中国人など不法滞在の外国人も多いとされている。西口の西川口1~3と東口の並木1、2丁目では02年にひったくりや路上強盗などの街頭犯罪が173件発生している。殺人事件は01年は3件、02年は2件も起きている。 |
「スーパー防犯灯」は24時間稼働し、緊急時にボタンを押すと赤色灯と非常ベルが作動し、現場の映像と音声が警察署に送信される。警察署ではパソコン画面を通じて、通報者と会話して状況を聞く。カメラは遠隔操作で周辺の状況を撮影でき、警察官の迅速な出動を助けるシステムである。埼玉県警は、24時間画像を監視する監視カメラではないことを強調している。「スーパー防犯灯」は、埼玉県内では警察庁と国土交通省が今年4月、川越市小中居の団地に5基を設置している。また、同庁と文部科学省が同月、さいたま市南区南浦和1の大谷場小学校学区内に「子ども緊急通報装置」7基を設置している。埼玉県警が防犯用に設置するのは初めて。 |
西川口の「スーパー防犯灯」は、常時監視はしていないものの「市民生活の監視につながるのでは」と心配する声も出ている。ある風俗店の男性店員は「防犯のためならやむを得ないとも思うが、あまり気持ちのいいものではない」と話している。県警生活安全課は「犯罪の抑止効果に期待している。監視カメラではないので24時間監視しているわけではない。事件発生時に捜査のため映像を見る」と話している。 |
長崎市で7月に起きた幼児誘拐殺人事件では、商店街が設置した監視カメラに容疑者が映っていたことが捜査の決め手となった。その後、全国的に監視カメラの設置がブームのようになっている。 |