高市早苗少子化担当相は29日午前の閣議で、平成19年版「青少年の現状と施策」(青少年白書)を報告した。定職に就かないフリーターは3年連続で減少したものの18年平均で187万人と依然高い水準が続いている。家事も通学もしていないニートも62万人に上った。白書は「社会的自立が困難な若者が多い状況は社会全体にとっても健全とはいえない」と指摘している。
|
白書によると、15~34歳のフリーターの数は15年の217万人をピークに減っており、18年は前年比で14万人減少した。同じ年代のニートの数も18年は前年比で2万人減少した。
|
しかし、15年度末の新卒者の3年以内の離職率は、中卒70.4%、高卒49.3%、大卒35.7%と高く、中、高、大卒の順に離職率が高い「753現象」が定着しつつある実態を明らかにしている。
|
また、18年に全国の警察が扱ったいじめに起因する事件が233件と前年から68件(41.2%)増加した。検挙・補導された少年も460人と134人(41.1%)増加しており、白書は「学校生活をめぐって児童生徒の問題行動が憂慮すべき状況にあり極めて重要な課題だ」と指摘している。
|
さらに、17年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の相談件数が過去最高の3万4,472件に上ったことなどを念頭に、「児童虐待問題は、依然、早急に取り組むべき社会全体の課題だ」と訴えている。
|