昨年1年間に全国の警察が検挙・補導したいじめを原因とする事件は、前年比41.2%増の233件にのぼったことが15日、警察庁のまとめで分かった。いじめの動機としては「力が弱い・無抵抗」との回答が最も多かった。同庁は「いじめが社会問題化し埋もれていた事件が顕在化した面もあるが、事件に発展するのはいじめ全体の一部」としている。
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警察庁のまとめによると、いじめが原因の事件は傷害や恐喝、強要などが多く、検挙・補導人員は前年比41.4%増の460人。中学生が352人、高校生が90人、小学生は18人だった。これらの事件は85年(638件)がピークで、その後減少傾向だったが、2003年から4年連続で増加している。
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また、子供をめぐる問題でいじめとともに深刻になっている児童虐待事件は前年比33.8%増の297件で、統計を取り始めた99年以降、最多を記録した。こうした事態を受けて全国の警察本部は、都道府県と連絡会議を設置するなど虐待事案を早期に把握するため連携を進めることにしている。
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