その1)埼玉県警が「地域捜査係」を新設し検挙率の向上を図る |
埼玉県警は3日、県内ほぼすべての警察署の地域課に、万引や少年の補導といった軽微な事件を初動から検察への送致段階まで担当する「地域捜査係」を9月末から新設すると発表した。 |
地域課からこうした事件の捜査を引き継いでいた刑事課や生活安全課の負担を軽減し「攻めの捜査」で全国最低の犯罪検挙率の向上を図る狙いである。同様の取り組みを進めている県警はほかにもあるが、地域捜査係として新設するのは異例である。 |
埼玉県は、警察官1人当たりの刑法犯認知件数が17.9件(02年)と全国最多で、地域課から引き継いだ少年事件が処理されないまま時効が完成するなどの不祥事がこのところ相次いでいた。茂田忠良本部長は「地域捜査係の設置で責任が明確化し、地域部門の捜査経験者の能力活用も期待できる」としている。 |
その2)山梨県警の委託で「見せるパトロール」が発足 |
多発する街頭犯罪を抑止するため「見せるパトロール」を目的とした地域安全パトロール支援要員事業の発足式が2日、山梨県甲府市丸の内の県民情報プラザで行われた。山梨県警の委託を受けた県防犯協会が20人を採用し甲府、南甲府、石和署の管内で来年2月末までの6ヶ月間、地域に密着したパトロールを行う。 |
支援事業は、国の緊急雇用対策事業の一環で街頭犯罪の増加に歯止めをかけ、安全な地域づくりを推進するのが狙いである。支援要員は2人1組で学校周辺や商店街、公園など重点的にパトロールし、有害チラシの撤去や事件・事故の通報も行うことにしている。 |
発足式では、県警の金山泰介本部長が「地域の安全、安心をつくり上げてほしい」とあいさつ。甲府署管内で活動する東幸一さん(60)は「全力で職務を行いたい」と抱負を述べた。 |
その3)香川県警が今月を街頭犯罪抑止月間と定め対策本部が出発式 |
香川県警が街頭犯罪や住宅侵入盗などに歯止めをかけるために設置している「県警街頭犯罪等抑止総合対策本部」は、9月を対策強化月間と定め、初日の1日、県警本部で出発式を行った。 |
香川県内の乗り物(自動車、自転車など)盗やひったくりなどの街頭犯罪と住宅侵入盗の認知件数は、今年1~7月で6,070件と前年同期比1,117件も増加している。検挙した360人のうち、18歳未満の少年が約60%を占めていた。県警は、多くの少年が「たむろ」する場所での職務質問を強化するなど、少年補導に力を入れる。 |
また、乗り物盗や車上狙いが街頭犯罪の約93%を占めており、県警は「少しの間でも、車や自転車を離れる際は施錠してほしい」と呼び掛けている。他にも繁華街での制服パトロール、県下一斉の総合検問などに取り組む。出発式では、岩瀬充明・県警本部長が「街頭における抑止活動と検挙活動を相互に連携させ、犯罪の発生防止に努めてほしい」と訓示を述べた後、白バイやパトカーなど21台がパトロールに出発した。 |
その4)福岡県警が非行少年を重点に補導・摘発する遊撃隊を発足 |
多発するひったくりや車内荒らしなどの街頭犯罪に少年グループが関与しているケースが目立つことから、福岡県警は1日、街頭を巡回して非行少年を重点的に補導・摘発する「街頭犯罪少年特別遊撃隊」を発足させ、少年課に「福岡地区少年非行集団等集中取締本部」を設置した。取り締まり対象を少年とした街頭パトロール隊の発足は、全国で初めてという。 |
福岡県内では今年1~6月の半年間で約4万9,000件の街頭犯罪が発生し、県警は約1,800人を摘発した。うち少年が約7割の約1,260人を占めた。街頭犯罪の「主役」とされている少年を集中的に取り締まり、非行グループを解体することで街頭犯罪抑止を目指す。 |
遊撃隊は、少年課と、ひったくりや車内荒らしを取り扱う捜査3課、暴走族を捜査する交通指導課の捜査員計31人で組織し、当面は県内で街頭犯罪の半数近くが集中する福岡都市圏で午後8時~午前5時の間、少年のたまり場になりやすいゲームセンターや公園などを巡回する。取締本部は、補導・摘発した少年が非行グループに戻らないように保護者や学校と連携し、少年の相談にも応じる。県警本部であった遊撃隊の発足式で、広畑史朗本部長は「少年犯罪対策の切り札として職務にまい進してほしい」と訓示した。 |