マツダは15日、アラスカ沖で1ヶ月間航行不能になった自動車運搬船内にあった米・カナダ向け乗用車4,700台のすべてを廃棄すると発表した。同社では、「見た目には新品同様の車もあるが、品質が保証できない。中古でも売らない。たとえ寄付でも失礼にあたる」(広報)としている。
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事故は7月下旬に起きた。運搬船がアリューシャン列島の南を航行中、バラスト水の交換中にバランスを失い、60度以上傾いたまま航行不能になった。船内に左右10センチ、前後30センチの間隔でぎっしり並んでいた車も傾き、ぶつかって大破した車もあった。
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積載された輸出車の内訳は、山口と広島で積んだアクセラ(2,800台)、ロードスター(290台)、RX-8(200台)のほか、北米で先行発売したCX-7(1,300台)など。損害保険をかけていたが、被害額は推定で100億円を下らないという。
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船は米オレゴン州まで引航された後、車の損害状況を調査した。損傷が少ない車や新車同然のものもあったが、長期の傾斜がサスペンションなどに及ぼした影響を考慮し、商品には不適切と判断した。
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マツダは90年代からブランドを再構築、復活を果たした。ジム・オサリバン常務は「今回の全車廃棄の決断がブランドの維持向上につながると確信している」と語っている。
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